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マッチングアプリから結婚相談所への入会を考えるとき、「契約したあとでやめたくなったら?」「クーリング・オフはできるの?」と気になる人もいるでしょう。
この記事では、消費者庁の「特定商取引法ガイド」の「特定継続的役務提供」のページをもとに、結婚相手紹介サービスの契約で知っておきたいクーリング・オフと中途解約の基本を5つのポイントにまとめます。後半の、契約前に確かめたいことのリストは、この記事の提案です。
※この記事は一般的な情報の整理です。ガイドのページでも、内容は概要で、詳しくは特定商取引法の条文の該当部分を見るよう案内されています。個別の契約が対象になるか、いくら戻るかなどは契約内容によって変わるので、消費生活センターや専門家に相談して確かめてください。
結婚相手紹介サービスと特定商取引法
特定継続的役務提供とは
特定商取引法ガイドでは、特定継続的役務提供は、長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこととされています。対象は、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7つの役務とされています。
結婚相手紹介サービスの範囲
ガイドの表では、いわゆる結婚相手紹介サービスは「結婚を希望する者への異性の紹介」とされ、期間は2か月を超えるもの、金額は5万円を超えるものが対象とされています。
金額には何が入る?
ガイドでは、入学金、受講料、教材費、関連商品の販売など、契約金の総額が5万円を超えていると対象になると説明されています。また、役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれるとされています。
店頭での契約も対象
ガイドでは、要件に当てはまれば、店頭での契約も規制の対象になるとされています。
結婚相談所のクーリング・オフで知りたい5つのポイント
ここでは、特定商取引法ガイドから、結婚相手紹介サービスの契約で押さえておきたい点を5つにまとめます。
1. 書面を受け取った日から8日以内
ガイドでは、特定継続的役務提供の契約を結んだ場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面または電磁的記録により契約を解除(クーリング・オフ)できるとされています。
2. 関連商品も一緒に解除できる
ガイドでは、本体の契約をクーリング・オフ(または中途解約)した場合、その関連商品についてもクーリング・オフ(または中途解約)できるとされています。結婚相手紹介サービスの関連商品としては、真珠並びに貴石及び半貴石、指輪その他の装身具が指定されていると説明されています。
3. 支払ったお金は返してもらえる
ガイドでは、クーリング・オフをした場合、消費者は損害賠償や違約金を支払う必要はなく、既に頭金など対価を支払っている場合には、速やかにその金額を返してもらうことができると説明されています。役務が既に提供されている場合でも、その対価を支払う必要はないとされています。
4. 8日を過ぎても中途解約ができる
ガイドでは、クーリング・オフ期間の経過後も、将来に向かって契約を解除(中途解約)できるとされています。その際に事業者が請求できる損害賠償などの額には、上限が決められています。
5. 中途解約の上限額が決まっている
結婚相手紹介サービスでは、役務提供開始前の解除は3万円、開始後の解除は、提供された役務の対価に相当する額に、2万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額を加えた額が上限とされています。それ以上の額を既に受け取っている場合には、残額を返還しなければならないとされています。
5つのポイントの早見表
| ポイント | ガイドの説明 |
|---|---|
| クーリング・オフ | 書面を受け取った日から8日以内 |
| 関連商品 | 本体と一緒に解除できる(貴石、指輪など) |
| 支払い済みのお金 | 速やかに返してもらえる |
| 中途解約 | 8日を過ぎても将来に向かって解除できる |
| 上限額 | 開始前3万円、開始後は対価+2万円か残額20%の低い方 |
表は、消費者庁の特定商取引法ガイドの説明にもとづきます。
契約のときに渡される書面
契約前の概要書面
ガイドでは、契約の締結前には、契約の概要を記載した書面(概要書面)を渡さなければならないとされています。記載事項には、役務の内容、支払う金銭の概算額、役務の提供期間、クーリング・オフに関する事項、中途解約に関する事項などが挙げられています。
契約後の契約書面
契約の締結後には、遅滞なく、契約内容を明らかにした書面(契約書面)を渡さなければならないとされています。記載事項には、役務の対価、支払時期と方法、提供期間、クーリング・オフや中途解約に関する事項、契約締結の年月日などが挙げられています。
赤枠・赤字の注意事項
ガイドでは、書面をよく読むべきことを赤枠の中に赤字で記載しなければならず、契約書面のクーリング・オフの事項も赤枠の中に赤字で記載しなければならないとされています。また、書面の字や数字の大きさは8ポイント以上であることが必要とされています。
勧誘や広告のルール
禁止されている行為
ガイドでは、勧誘の際や契約の解除を妨げるために事実と違うことを告げること、勧誘の際に故意に事実を告げないこと、相手を威迫して困惑させることが禁止されていると説明されています。
誇大広告の禁止
ガイドでは、役務の内容などについて、著しく事実に相違する表示や、実際のものよりも著しく優良・有利であると人を誤認させるような表示が禁止されているとされています。
申込みの取消し
事実と違うことを告げられてそれを事実と誤認した場合や、故意に事実を告げられずにその事実が存在しないと誤認した場合には、契約の申込みやその承諾の意思表示を取り消すことができるとされています。
期間を過ぎても認められる場合
ガイドでは、事業者が事実と違うことを告げたり威迫したりして、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフをしなかった場合には、8日の期間を過ぎていてもクーリング・オフができるとされています。
7つの対象役務と期間・金額
対象になる7つの役務
ガイドでは、特定継続的役務として指定されている7つの役務と、対象になる期間・金額が表で示されています。結婚相手紹介サービスと比べやすいように、期間と金額をまとめると次のとおりです。
| 役務 | 期間 | 金額 |
|---|---|---|
| エステティック | 1か月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 美容医療 | 1か月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 語学教室 | 2か月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 家庭教師 | 2か月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 学習塾 | 2か月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| パソコン教室 | 2か月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 結婚相手紹介サービス | 2か月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
役務提供開始前の上限額の違い
役務提供開始前に中途解約した場合の上限額は役務ごとに決められていて、ガイドでは、エステティックと美容医療と家庭教師は2万円、語学教室とパソコン教室は1万5000円、学習塾は1万1000円、結婚相手紹介サービスは3万円とされています。
特定商取引法が適用されない場合
ガイドでは、営業のためまたは営業として結ぶ契約、海外にいる人に対する役務の提供、国や地方公共団体が行う役務の提供などには、特定商取引法が適用されないとされています。
違反した事業者はどうなる?
行政処分と罰則
ガイドでは、行政規制に違反した事業者は、業務改善の指示や業務停止命令、役員等の業務禁止命令などの行政処分の対象となるほか、一部は罰則の対象にもなるとされています。
適格消費者団体の差止請求
ガイドでは、事業者が誇大広告や事実と違うことを告げる行為、威迫して困惑させる行為、消費者に不利な特約を含む契約の締結などを、不特定かつ多数の者に行っている、または行うおそれがあるときは、適格消費者団体が行為の停止や予防などを請求できるとされています。
困ったときの相談先
契約で困ったときは、消費者ホットライン188などを通じて、お住まいの地域の消費生活センターに相談することを検討しましょう。
契約前に確かめたいことのリスト
ここからは、特定商取引法ガイドの説明をもとにした、この記事の提案です。
期間と金額を書き出す
契約期間が2か月を超えるか、入会金や月会費、関連商品などを合わせた総額が5万円を超えるかを、書き出して確かめておくと、ガイドの説明と照らし合わせやすくなります。
書面の受け取り日をメモする
クーリング・オフの期間は書面を受け取った日から数えるので、受け取った日をメモしておくと安心です。書面の赤枠の部分も読んでおきましょう。
解除の記録を残す
ガイドでは、クーリング・オフを書面で行う場合は特定記録郵便、書留、内容証明郵便などで行うことが薦められ、電磁的記録の場合は、送信したメールを保存したり、専用フォームの画面のスクリーンショットを残したりするなど、証拠を保存しておくことが望ましいとされています。
結婚相談所のクーリング・オフのよくある質問
電話で伝えるだけでいい?
ガイドでは、クーリング・オフは書面または電磁的記録で行うとされています。
指輪を買わされた場合は?
結婚相手紹介サービスの関連商品として、指輪その他の装身具が指定されているので、本体の契約を解除した場合、関連商品についても解除できるとされています。
マッチングアプリも対象?
ガイドで示された対象は、結婚を希望する者への異性の紹介で、期間2か月超・金額5万円超のものです。利用しているサービスが当てはまるかどうかは、契約内容によって変わるので、消費生活センターなどに確かめましょう。
化粧品や健康食品を使ってしまったら?
ガイドでは、使うと商品価値がほとんどなくなる、いわゆる消耗品(いわゆる健康食品、化粧品など)を使ってしまった場合には、クーリング・オフの規定が適用されないと説明されています。
書面をもらっていない場合は?
クーリング・オフの期間は、法律で決められた書面を受け取った日から数えるとされています。書面を受け取っていない、内容が足りないと感じるときは、早めに消費生活センターに相談しましょう。
事業者の財務内容は見られる?
ガイドでは、前払方式で5万円を超える事業者には、業務及び財産の状況を記載した書類を用意し、消費者の求めに応じて閲覧できるようにしておくことが義務付けられているとされています。
結婚相談所のクーリング・オフを知って安心して契約しよう
結婚相手紹介サービスは、期間2か月超・金額5万円超のものが特定継続的役務提供の対象とされています。書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができ、期間を過ぎても中途解約ができ、事業者が請求できる額には上限があります。契約前に期間と金額、書面の内容を確かめて、落ち着いて判断しましょう。